連載:Gakken 教育ジャーナル Vol.27 「正解のない学び」の鍵ー 目的のために「情報」を活かす!
https://gakkokyoiku.gakken.co.jp/journal_category/k-journal/
https://suzuki-toshie.net/gakken-well-being/
その情報は事実に基づいていますか?偏っていませんか? 真実や事実を求める姿勢を人間としていっそう大切にする‥それがAI時代の教育です。真実や事実は現実の中にあります。プロジェクト学習は机上でなく現実が学びのステージです、それはビジョン(目的)を現実にするために自ら情報を獲得し課題を解決してゴールへ向かう学びです。
AI時代の教育に必要なー情報力
AIが身近な存在となり、教育の役割は「知識やスキル」を教えることから変化しています。これからの教育では、子どもたちが現実の中から課題を見出し、解決策を考える力を育むことが求められます。ここにプロジェクト学習が応えます。
プロジェクト学習はよりよきビジョンを実現するために、現状の課題を見出し解決しつつ目標へ向かう「正解なき学び」です、自ら情報を獲得する必要があります。
PBLでは、いっそ「Google」で検索しない
プロジェクト学習で使う情報は原則として「根拠ある情報」であることが求められます。
いい加減な情報をもとに、考えたり、判断したり、表現したり‥することはできないからです。
プロジェクト学習のゴール(具体的な目標)は、ビジョン(目的)を現実にする課題解決の提案=知の成果です。
それは根拠ある情報をもとに構築していくものです。
目的のためにどう自分が求める「根拠ある情報」を手に入れるのか?
ここに応える「情報獲得力」を身につけることこそがPBLの真のねらいでもあります。
しかし現状はどうか?
学習者はスマホのグーグル検索で気軽に検索する、上の方に出てきたものを見る‥‥この延長でPBLにおける情報獲得をしがちです。
根拠ある情報の獲得について【 Google検索と Googleスカラーの違い】を理解する必要があるでしょう。
詳しくは以下を参照
https://suzuki-toshie.net/news/5759/
プロジェクト学習 - どこで、どんな情報を必要とするのか?何のためにその情報がいるのか?
それをどう活用するのか?‥‥
・ ・ ・
PBL:プロジェクト学習にはゴールへ向かう「基本フェーズ」があります。
プロジェクト学習にはフェーズがあります。[準備]のフェーズでは 目の前の現実を見て「課題」を見出す、ことをします。を、[ビジョン・ゴール]では「目標設定力」を、[計画]では「すべきことを考え出せる力」を、[情報・解決策]では、臨機応変に状況対応しつつ情報を得て課題解決アイディアを生み出す力を、[制作]では課題解決のビジュアル表現力を、[プレゼンテーション]では知の共有の仕方を、[再構築]では論理的な表現力を、[成長確認]では経験をふり返り成長した自分を自覚します。
[準備] のフェーズでは 目の前の現実を見て「課題」を見出します、そのためには現状から根拠ある情報を獲得する必要があります。
対象(領域)を俯瞰、観察、観測などをとおし、根拠ある情報やデータを獲得する必要があります。正確に観察し、何が問題なのか、何を解決すべきなのかを明確化します。
o フィールドワークやインタビューを通じて現場の実態を把握する。
o データや事例を分析し、根本的な「課題」を探る。
■ 「課題発見」の思考プロセスと「情報」「課題」は、ありたい状態と現状のギャップにあります。
なので、ありたい状態と現状が明確にないと課題を見出すことはできません。
ありたい状態はこうなったらいいな、というビジョンと言えます。ビジョンは必ずしも数値化を要しません。しかし現状は、根拠ある情報である必要があります。
現状から必要な情報を獲得する
「今はどうなの?その現状?」
• 対象(領域)における現状が把握できる情報
• 対象のデータ分析や統計情報
• フィールドワークで得られる観察データ、分析されたものなど
[課題発見から課題解決シート] 資料S
https://suzuki-toshie.net/wp-content/themes/st-portal/assets/images/pdf/2018_S.pdf
ネットや文献、インタビューに終えず、実際に現地に足を運ぶ。人間ならではの五感を働かせ、その現場特有の状況や雰囲気から、リアルな情報を獲得する。またネットやインタビューから得るときも他の媒体やほかの人からも情報を得ることでより偏向の少ない思考や判断を可能とします。
また「自分たちとは違う考えにもとづく情報」を手に入れることも欠かせません。
■ ライフプロジェクトにおける「多様な情報獲得」例
・ デジタル教科書(医学書院)俯瞰検索
・ 3D人体解剖アプリANATOMY 5
・ 人体解剖・トルソー模型
・ 論文サイト Googleスカラー
・ 論文サイト CiNii(国立情報学研究所)
・ 生成AI – Open AI ChatGPT4o
・ 厚生労働省など公的サイト検索機能
・ 国立機関、学会など公的サイト検索機能
・ 冊子 科学雑誌『Newton(ニュートン)』
・ 専門誌「新食品成分表2024」「病気が見える」など
・ アプリ/人間工学関連など
・ プロや当事者からのインタビュー
・ 自らの観察・記録/身体シート・生活シート
・ 地域/社会資源 (施設・機関・人)
・ 身近な現実‥コンビニ、 ドラッグストアなど
■ ライフプロジェクトとは
ライフ(健康) ポートフォリオとは?
https://suzuki-toshie.net/news/5618/
□ ゴールシート
https://www.toshie-suzuki.net/14chiba/33goalsheet.pdf
□ 生活シート
https://suzuki-toshie.net/wp-content/themes/st-portal/assets/images/pdf/seikatusheet.pdf
□ 身体シート
https://suzuki-toshie.net/wp-content/themes/st-portal/assets/images/pdf/shintaisheet.pdf
https://suzuki-toshie.net/mirai-kyoiku/case-03/
ただ情報を集めるだけでなく、一つひとつの情報のクオリティーが高いことが大事です。
そのためにもいつ・どこで得たものか、出典を明確にすることが重要です。根拠のある情報でなければ目的のために活かすことは出来ません。 例えば、写真を撮る際には、撮影した日時や場所、状況を明記することで、情報の裏付けを強化します。
たとえば災害を題材としたプロジェクト学習では、教科書で得た知識を基に、自分の生活環境から危険箇所を見つけ出す力が必要です。このように、現実から情報を獲得し、課題に気づく能力が、子どもたちがよりよく生きる力につながります。
編集や加工されていない情報を手に入れる
第一次情報は『現実』にある
その現実からいかに、必要な情報を獲得できるか、ここが鍵と言えるでしょう。
しかし目の前の現実から、自分が求める情報を獲得できるためには、求めるもの=目的(PBLのビジョン・ゴールなど)をつよく「意識」して、対象を捉えることが求められます。
ここへの教育こそが今後求められます。
情報の提供元、情報源などをしっかり確認することが大事です。
公的機関や信頼性の高いデータを使用し、偏った情報や利益目的の情報は避けることが重要です。特に、個人ブログや営利目的の情報源は慎重に取り扱う必要があります。情報の提供元が信頼に足るものであるかを確認し、その信頼性を見極める力を養うことが大切です。
□ 「情報源」を確認するセルフコーチング
「その情報源は‥?」
「なぜ、その情報を提供しているのか?」
と自分で自分に聞いてみる、聞いて考えてみる
根拠ある情報、安心して信頼して使える情報を獲得することができる情報力が身につく教育が求められます。
Google Scholarは非常に便利な学術情報収集ツールです、
グーグルスカラー https://scholar.google.co.jp/scholar
厚生労働省の統計情報 https://www.mhlw.go.jp/index.html
文部科学省統計情報 https://www.mext.go.jp/
e-Stat(日本政府が提供する統計データポータルサイト/政府統計の総合窓口) https://www.e-stat.go.jp/
1. 日本国内の学術論文や研究データベース
- CiNii Articles https://cir.nii.ac.jp/
日本国内の学術論文を検索。学術機関の論文や書籍情報が豊富。 - J-STAGE https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
日本の学術出版物や会議録を幅広く提供。 - 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/
日本国内外の図書や雑誌などの資料が検索・閲覧可能。
2. オープンアクセスリソース(日本語対応あり)
- DOAJ (Directory of Open Access Journals)
オープンアクセスジャーナルの総合ディレクトリ。日本語キーワードでも検索可能。 - J-STAGE
国内のオープンアクセス論文も多く提供。
3. 政府や公的機関のデータベース
- e-Stat(日本政府が提供する統計データポータルサイト) https://www.e-stat.go.jp/
- 厚生労働省の統計情報(医療、福祉、労働関連の公式統計情報)
- https://www.mhlw.go.jp/index.html
- 文部科学省統計情報(教育、科学技術に関する統計資料が充実)
- https://www.mext.go.jp/
4. 図書館・文献情報
- NDLサーチ(国立国会図書館や全国の図書館資料を横断検索) https://ndlsearch.ndl.go.jp/
- 大学図書館のリンク集(国内大学図書館の蔵書検索が可能) (CiNii Books)
5. 日本の研究者ネットワーク(日本の研究者や研究成果を探せるネットワーク)
6. 日本語論文のための検索ツール
- Google Scholar (日本語でキーワード検索が可能な学術論文検索エンジン) https://scholar.google.co.jp/scholar
- 国立情報学研究所 (NII) (日本国内の情報学研究に関連したリソース) https://www.nii.ac.jp/
「探究」はプロジェクト学習(PBL)で成功する
鈴木敏恵+金井義明(熊本大学)
(1) 活動を通して、子どもたちにどのような力をつけるとよいですか?
https://youtu.be/JTQgTMxdl_w
(2) 「テーマにつながる体験活動」は必要ですか?注意点は何ですか?
https://youtu.be/y7wc2rVnMjc
(3) 探究活動はどのような流れで進めるとよいですか?
https://youtu.be/hPXEosCgy0E
(4) 子どもたちがテーマを自分事にするためにどうすればよいですか?
https://youtu.be/XxIWGd3YC7Q
(5) 調べ学習で終わらない、よいゴールの条件は何ですか?
https://youtu.be/k-RiWInziy0
(6) 時間を意識して活動するため、計画のときの注意点は何ですか?
https://youtu.be/OM-Wb2g69Ow
(7) 情報収集で気を付けることは何ですか?
https://youtu.be/gChjnpqGKwc
(8) プレゼンテーションで気を付けることは何ですか?
https://youtu.be/zmvsWthquMc
(9) ゲストティーチャー等外部人材の活用で注意することは何ですか?
https://youtu.be/Vkjzqp77k4I
(10) 活動が発表して終わらないためにはどうすればよいですか?
https://youtu.be/p7opdzQgnYA
(11) ポートフォリオはどのように作っていくとよいですか?
(12) ポートフォリオはどのように活用すればよいですか?
(13) 協働テーマから個人テーマの探究活動にどうつなげるといいですか?
(14) 協働テーマと個人テーマの進め方の違いは何ですか?
(15) その子らしさを引き出すため、どのようにかかわるとよいですか?