2025年04月23日

探究学習とプロジェクト学習(PBL)  プロジェクト型学習との違い

■プロジェクト学習(PBL)と探究学習との違い

何かを考えるとき「言葉」をよりどころにします。
その言葉は何を意味するのか見ながら、考える起点にします。  

・  ・  ・

「探究(PBL)」と表現してそこに課題や課題解決能力、調べたものをまとめて発表など‥含めて書かれていると違和感を感じます。
「探究」と「プロジェクト」はその言葉の意味や解釈からイメージするものは、あまり近くない、いやむしろ真逆では?!と素朴に感じるからです。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

□【探究】の意味

・物事の真相や意義・本質・原因などをさぐって、明らかにしようとすること。(出典:岩波書店『広辞苑 第七版』)

・物事の真相や本質などを深くさぐり求めること。(出典:三省堂『大辞林 第四版』)

・深くさぐりきわめること。(出典:小学館『日本国語大辞典 第二版』)

*補足:語の構成

• 「探」…さがす、調べる(表面的な意味)

• 「究」…きわめる、深く追求する(より本質的な意味)

◆ プロジェクトとは「夢をかなえる」こと

一方、「プロジェクト」は、ビジョンやミッションという芯がありながらも、そこには目指す先に必ず目標(ゴール)の存在があります。
「プロジェクト」は、自分の内でなく、外(社会・現実)を領域とします。
「プロジェクト」には、「探究」と違い、そこには、期間や期限や場所、空間、距離、人間関係、マネージメント‥などが存在します。

「探究」はその対象が物質や文化的なものであれ、その精神や求める深みは一人の人間の内部で模索や発展をします。
一方「プロジェクト」は、この現実にカタチあるものとして社会や他者にとって”実物”として見たり、実感できる「アウトカム」が存在します。
その進行においてももちろん自分だけということはなく他者の協力や共有が前提です。

プロジェクトは構想や計画。「ダイエット・プロジェクト(?)」や「建設プロジェクト」であれ、「火星移住プロジェクト」「心臓移植プロジェクト」であれ、プロジェクトには必ず「ビジョン・ミッション・ゴール」の存在があり、そこには必ずなんらかの”成果”があります。

【プロジェクト】とは

プロジェクト→ “project” は「pro(前へ)」+「iacere(投げる)」この語源から、**「何かを成し遂げるために、未来へ向けて意図的に仕掛ける行動」**というニュアンスが根底にあります。「未来へ向かって投げ出された(投影・ビジョン:前方へありありと描いた)構想・計画という意味を持ちます。

ビジョン(目的)やゴール(目標)の存在がない「構想・計画」はありません。
「何のために(目的)!何をやり遂げたいのか(具体的な目標)!」
ここをおさえないものは、プロジェクトとは呼べません。

建築や国のプロジェクトを実際に責任者として経験してきた私にとって、プロジェクトとは決意を持って「成す」ものです。
いいえ、そう力んでいう必要もありません
一言で言えば‥プロジェクトとは夢の実現、ビジョンを現実にすること何です。

 

◆ 「プロジェクト学習」か「プロジェクト型学習」か。

私はあえて、シンプルに「プロジェクト学習」という表現を選びます。
理由は、「型」という言葉がもつ、型通り・型に嵌めるというニュアンスに、この創造的な学びを当てはめることへの抵抗感があるからです。

たしかに「PBL:Project Based Learning」は、文字通り“プロジェクトを基盤とした学び”ですが、この“Based”は「型」ではなく、「基盤」や「プラットフォーム」として捉えるのが自然です。
基盤は、何かを固定するものではなく、むしろ自由に築き、進行し、挑戦していくことを支える土台です。

つまり、「プロジェクト型」であること自体に価値があるのではなく、
「プロジェクトとは何か」その普遍的なところを深く理解すること、そして未来を描き、それを現実にカタチにする力強い「プロジェクト力」を育てることこそが、本質です。

「プロジェクト学習」は、単なる方法論ではありません。
それは、“ビジョンを現実にする”という意志ある行動を学び、再現可能な力として現実に立ち向かい自らのものにしていく実践です。

 

プロジェクト学習をスタートしましょう!

学生たちへ「プロジェクト学習を経験するとあなたの夢を実現する力が身につくよ!」とにっこりいい、「プロジェクト」ってねと最初に伝えます!

 

◆ 「プロジェクト学習」か「プロジェクト型学習」か

「PBL:Project Based Learning」は、文字通り“プロジェクトを基盤とした学び”ですが、この“Based”は「型」ではなく、「基盤」や「プラットフォーム」として捉えるのが自然です。
基盤は、何かを固定するものではなく、むしろ自由に築き、進行し、挑戦していくことを支える土台です。

つまり、「プロジェクト型」であること自体に価値があるのではなく、
「プロジェクトとは何か」その普遍的なところを深く理解すること、そして未来を描き、それを現実にカタチにする力強い「プロジェクト力」を育てることこそが、本質です。

「プロジェクト学習」は、単なる方法論ではありません。
それは、“ビジョンを現実にする”という意志ある行動を学び、再現可能な力として現実に立ち向かい自らのものにしていく実践です。


観点 プロジェクト学習(PBL) 探究学習
出発点 現実にある課題・状況 興味・関心・疑問
目的 ビジョンを実現すること 本質を深く理解すること
ゴール 明確に設定される(成果・アウトカム) 必ずしも明確ではない(継続的)
活動の性質 実現・創造(現実に働きかける) 探索・深化(理解を深める)
成果 社会に役立つ「知の成果」 学びの過程や理解の深化
時間軸 期限・計画に基づく 比較的自由で継続的
意思決定 必須(選択と判断の連続) 相対的に少ない
情報活用 多面的・一次情報を重視 文献・資料中心になりやすい
学びのステージ 現実世界(リアル) 思考・認識の世界
本質 ビジョンを現実にする学び 本質を探り続ける学び