☆『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』☆特別増刊5号☆

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☆『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』☆特別増刊5号☆
5月21日・日曜日発行
発行者:鈴木敏恵 編集者:梶原末廣 suzukimm@ma3.justnet.ne.jp
[ホームページ] http://www.suzukitoshie.net/miraiinfo.html
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目次

改革リーダーシップをゴーン氏に見る     

鈴木 敏恵

本気な男・すべてを賭ける・集中力の眼

 日産にルノーのゴーン氏が経営トップとして乗り込んだ。
その一言一言、一挙一動、行動のすべてから、改革時のリーダーがとるべき「戦略」と「研ぎ澄まされた所作」を見る事が出来る。
 まず一分一秒を無駄にせず、日本各地の日産の工場を「視察」。
運命を握る最高決定者の視察。緊張する日産の工場。整列、直立不動の姿勢で「きっちりとした視察コース」を組んで待つ。工場の人々の運命さえ握るであろう、この日の訪問者を迎える、その心持ちはいかなるものか。

 ゴーン氏到着。その瞬間から、緊張はピークの継続。さっそく視察コースへのガイド、となる前に、すべての事態が変わる。

 ゴーン氏は、日産サイドが予想した「視察のスタイル」を小気味よく裏切る。見たい所を見る。聞きたいことを聞く。隙がない問い。待ちを許さない問い。その相手を見る鋭い目つき。

 「本質を付く質問」次々に突きつける。訊きたいことを突きつける相手は、日産サイドが用意していた相手に限らない。 工場の担当者へ次々。「生産コストは、どうなっているか?」、その目は、生産ライン設備を見る、何かを読みとろうとする視線で見る。

「見る」その視線に強い集中力とエナジーがこもっている。
目はラインへ。耳は通訳へ。工場側の返答。それを聞き終わるまで待たず、その甘さを洩れなく突く次の問い。

徹底して、用意されたコースに乗らない

 「スチールのスクラップ率はどうなっているのか?元の材料でどこまで車体を生み出しているのか?素材の活かし方が十分か?」と問うその内容は、まさしく生産性を計る「根元的」なものだ。おそろしく素朴で根元的な問いだ。

担当者は、予想していなかったためか、口ごもりながら「車種によって違います」と答える、少しいらいらを表しながら、ゴーン氏は畳み掛けるように「平均を教えてもらえばいいんだ!」と突く。担当者の答えた、その歩留まりの悪い数値に、露骨に眉をひそめる、「もっとうまく使える筈だ」と大いに改善の余地があることをその表情で如実に語る。

 「見たい所を見る」ことを要求する。工場だけでなく、「ここで生産される車を出荷する”港”も見たい」と要求するゴーン氏。「ここで降りたい」車から降りる場所も突然に告げる、「予定に入って居ません」という担当者が言っても聞かない。もちろん降り、またそこで視察担当者を焦らせるような質問を放つ。徹底して、相手が用意したコースに乗らない。

最高にカッコいい男–決定・責任・覚悟

 鈴木は、このゴーン氏をいま日本で一番かっこいいと思う。すべてを賭けて彼は日本へ来たのだ。彼は自分がすべきことを知っている。浅いマスコミが、ミスターコストカッターなどと陳腐なあだ名で彼を呼んだが、ゴーン氏はそんなもんじゃない。マネジメントのプロであり、デザインや信念や俊敏な意志決定こそがすべての未来を握っていることを知っている時代の切り札のような男だ。

知りつくし自らそう行動するクリエイティブな男だ。ウソをつかない、話しが明瞭で分かりやすい、ごまかす態度がみじんもない、責任をとる。高慢でない、形式や事例に囚われない、そういう無駄なものがないのだ。

トップダウンでもボトムアップでもない、「積極的にみんなが考えを出してみんなで話し合う、自発的な仕組み」を狙っている。しかし一方、「決定」して「責任」をとるその覚悟は堅い。それがリーダーの覚悟だ、だから人々が動く。
 リーダーが「決定」して「責任」をとるその覚悟や明確性…がないところに真の革命はあり得るだろうか?—いろいろなことを考えずにいられない。

デザインが命–感性や直感

 当然であり、鈴木が惚れ惚れしたところは、日産に乗り込んだゴーン氏が、いちばんに迷わずデザイン部門を経営の直下にしたことだ。イメージ、スタイリング、スピード、デザイン、クール・・・人間はここに本能的に強く関心がいく。若い人は特にだ。このような感性や直感をダイレクトに学校にドラステックに導入することができるかどうかが、これからの教育革命の鍵だと思う。”映像””インターネット”創造””色彩””サウンド””素材の触感”・・・未来教育の扉はここにある。

「成果」「責任」

 デザイン担当者へ問う、「この車でどんな成果をあげたいか?」
「そうですね、3500台は売りたいと思います。」「では、それ以下しか売れなかったら、失敗ですね、」と、相手の目をピッタリ見ながら畳み掛ける。もちろんゴーン氏は、自分の放つ言葉を、日産の幹部や全社員、あるいは日本のマスコミへ訊かせるかのように言っているその意識と狙いは、私が見ても明白だ。

「実行」に95パーセント

 有効な発言は続く。「期限を区切ることだ!」「いくら技術が良くてもそれを客に感じさせることが出来なければダメなんだ」、マスコミが「ゴーン氏のプランがルノーで成功してますね」と言い日産の改革に繋げて意見を仰げば…「プランが完璧でもダメなんだ、プランは5パーセント、それを実行出来るかに95パーセントが掛かっているんだ。」(あ〜自治体の審議会事務局にきかせたい!と思わず感じる私)。「車のデザイン部門は経営と直結せよ、」「コンセプトなきデザインが、客の心を掴むことはあり得ない。「徹底的なマーケティング」「脱ガソリン」・・.。

「車が好き」という本人の気迫

 最高責任者であるゴーン氏、自ら運転。日産車の特徴、弱点を身体で掴むために、自ら試走コースで200キロまで出してみる。トヨタなど他の自動車メーカーの車も同じように試してみる。このことが徹底している。

「大事なこと、直感で何かを掴むべきこと」は絶対に他人まかせにしない。その確かな行動にも、改革者としての信
念を感じるが、何より「車が好き」というご本人の気迫がまた、日産の内部関係者に感銘を与える。これまでの経営幹部は必ずしも「車が好き」ではなかったという。それでは社員が、リーダーと共に魂あつく燃えるはずがないではないか!。リーダーはその目的に惚れきっていなくては。

 ・ ・ ・ ・ ・

 改革を任務とするリーダーに必要なものは、型にはまらないことは勿論!勇気、信念、キレ、鋭い眼力だ。

(2000.5/15朝日新聞の夕刊/カルロス・ゴーン/21世紀旗手/競争が最高の力を生む/より以下抜粋)
高インフレのブラジルでは判断と行動のスピードの重要性を学んだ。
米国では顧客を中心に考える経営を体得。ルノーでは目的を示し実行していく際の説明力を磨かれた。様々な国で修羅場を踏みマネージメントのプロとして鍛えられた。

「変化はあらゆるところで起きている。難しい問題にぶつかったら経営者が成長するための好機だと思って楽しむことです。」「人の話を注意深く聞けば90パーセント以上の解決策がみえる。そして優先順位を決め、最も重要な問題に集中する」「ビジネスの世界には、競争もある、創造もある、学ぶこと、人に接することなどすべてが揃っているから面白いのです。」

 競争の世界に身をおいてきて、ひと休みしたくないですか?
「それが人生の現実だし、競争によって人は最高の力を引き出されるのです。」

  ・・未来教育のキーワードが、ここに凝縮して入っている。
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資料:1999.10.NHKテレビ+2000.5.15朝日新聞+小学館「日産ゴーン
成算ありやなしや」

追:小学館「日産ゴーン成算ありやなしや」という本のタイトル、
私は好きではない。成算ありやなしというレベルでない、学びをゴ
ーン氏の仕事から得ることができるからだ。今後の日産がどうなろ
うと、ゴーン氏がそこで見せてくれたプロの仕事師としてのサムラ
イ魂にこそ、私たちは学ぶことが山盛りだから・・・。

ほんとうにゴーン氏は、カッコいい。
カッコよさは、命賭けからくるものだ・・。

                      鈴木敏恵
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━━━━━━━━━━ 【鈴木敏恵 書籍 情報】 ━━━━━━━━━━━━
☆ 『ポートフォリオで評価革命』    2000.5月末発売予定学事出版
 〜その作り方・実践事例・授業案〜
★『鈴木敏恵の未来への提言…21世紀バイブル』2000     学事出版
★『ネットデイで学校革命!…次の時代が見える〜』2000     学事出版 
★『未来教育にポートフォリオを活かす!』2000        教育新聞社
★『未来教育…総合的な学習〜プロジェクト学習編』1999  VHS明治図書5刷
★『未来教育…総合的な学習〜ポートフォリオ評価編』1999 VHS明治図書5刷
★『マルチメディアで学校革命』1996            小学館第6刷
━━━━━━━━━━━━━【鈴木 敏恵】━━━━━━━━━━━━━━━
       未来教育デザイナー/一級建築士 
     すずきとしえ e-mail: s-toshie@ca2.so-net.ne.jp
                         ・。・゜☆・゜・。・☆ 
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—編集後記—
 特別増刊5号をご購読いただきありがとうございます。
 鈴木敏恵さんはご自身の『ポートフォリオで評価革命』の発売も
間近で多忙なときでも、原稿を入れてくださる。編集者として一安心。
 今回の【社会エッセイ】★改革リーダーシップをゴーン氏に見る★                
一読し鈴木さんがゴーン氏に惹かれる理由がわかります。待望久しい
本物のリーダーの出現であろう。(嘆かわしい日本の現状も垣間見る
ことができる)。
 鈴木さんはひょっとしてすばらしい「伯楽」であるのかもしれない。
 皆様のご意見・ご要望・ご感想お待ちしています。(梶原末廣)
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『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』☆5月5日創刊☆
発行者:鈴木敏恵 編集者:梶原末廣  suzukimm@ma3.justnet.ne.jp
          【発行部数650名】(5/20)
発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
                     http://www.mag2.com/
■【未来教育MM】●マガジンID:0000031436
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