AI時代の教育.4 【現実空間】から情報を獲得する力 — 「目的」のために情報を獲得する
すずきとしえ 草稿
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「目的」のために情報を獲得する
プロジェクト学習では「何のために情報を得るのか」という目的が出発点になります。目的が曖昧であれば、目の前の現実からも、ネット空間からも、価値ある情報を得ることはできません。目的やビジョンが明確であるからこそ、情報は選び取られ、意味を持ち始めるのです。
情報獲得力 > 情報活用力──本当に大事なのはどちらか
学習指導要領などでは「情報活用力」「情報編集力」といった言葉が重視されています。しかし私は、それ以前に「情報獲得力」こそが根本的に大切だと考えています。
いくら活用の技術を持っていても、そもそも価値ある情報を獲得できなければ、活用のしようがありません。情報をどう処理するかよりも、まず「何を、どこから、どう得るか」。未来教育が強調するのは、まさにこの力なのです。
現実空間から多面的・多角的にとらえる
本当に価値ある情報は、ネット空間だけには存在しません。風が吹き、人が動き、同じ瞬間は二度とない──そんな現実の空間にこそ、生きた情報があります。
プロジェクト学習の現場では、学生は人に会い、現場を観察し、多面的・多角的に情報をとらえます。そこには数値やデータだけでは見えない「状況の全体像」が潜んでいるのです。
情報の背景を見抜く力
情報は多面的であると同時に、その背景や提供元を確認する姿勢も不可欠です。根拠ある情報であっても、発信者の立場や意図によって偏りが含まれることがあります。
だからこそ、単なるファクトチェックにとどまらず、その情報がどのような背景から生まれたのかを見抜く力が必要です。これは情報リテラシーを超えて、教育における「倫理」に近い観点だと言えるでしょう。
空間に潜む叡智とセオリーを見出す
現実の空間には、ただのデータ以上のもの──人間の叡智やセオリーが潜んでいます。状況の奥にあるパターンや原理を見出し、それを学びに活かすことこそが、人間に求められる力です。
プロジェクト学習は、この「空間に潜む叡智」を見出す練習の場でもあります。ここで触れておきたいのは、未来教育が目指すのは単なる情報収集ではなく、叡智をすくい取る人間を育てるということ。そして次回(第5回)では、これを「空間知性」という言葉でさらに深く掘り下げていきます。
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