2025年08月26日

AI×教育:第3部【多分野横断的な実践とオリジナルな視点】

3.1. 医療・看護分野への応用:命と倫理を扱う現場での「意志ある学び」

私の提唱する「意志ある学び」は、命と倫理を扱う医療や看護の現場でこそ、最も力を発揮します。医療現場では、AIが診断支援や治療法の提案に活用されるようになりました。しかし最終的な判断には、患者一人ひとりの背景や心理状態を踏まえた「人間的な配慮」が不可欠です。このような状況判断や臨機応変な対応は、現時点ではAIには決してできないことです。

ポートフォリオは、この人間的な学びを記録し、次につなげるための大切なツールとなります。研修医や看護師は、患者との関わりの中で得た「感情的な知識」や、人間的な配慮のプロセスをポートフォリオに記録し、内省することができます。例えば、東邦大学では「大切な人をコロナから守る!プロジェクト」や「国際看護師として人々の希望と生命を守る!プロジェクト」といった取り組みが行われました。学生たちは現実の課題に取り組む中で、単なる知識ではなく、人々の生命と希望を守ろうとする強い“意志”を育んでいます。

私は、このような実践が、医療従事者に不可欠な自律的思考力と行動力を育てる上で非常に有効であると確信しています。知識だけではなく、「人を支えたい」という意志こそが、医療や看護の未来を支えていくからです。


3.2. 防災教育への応用:「学ぶ」から「行動する」への変革

防災教育は、私のビジョンがもっとも直接的に「意志ある学び」の力を示す分野です。私が提唱する防災教育は、一方的に知識を与えるものではありません。子どもたち自身が「どうすれば命を守れるのか」を考え、マニュアルやシミュレーションシートを作り上げていく――その代表的な実践が「グラッ!その瞬間どうする」プロジェクトです。

この教育の深層には、「生命の尊厳」という根源的な意志を行動へと転換するプロセスがあります。子どもたちは「大切な人の命を守りたい」という強い動機からプロジェクトを始めます。自ら調べ、考え、計画を立て、マニュアルをつくる。その過程を通じて、防災知識は「他人事」ではなく「自分事」として根づき、いざという時に行動へと直結するのです。

私は、このプロセスが単なる知識習得を超え、未来を生き抜くための「ケイパビリティ(資質・能力)」を育むものだと考えています。そこにこそ、教育が人の命を守る力へとつながる本質があるのです。


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