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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第602号/2019年4月25日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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Essay: 人間が備える最も価値あるもの
テクノロジーが得意なことはテクノロジーに任せる、私たち人間だけが持つであろう最も価値あるもの…それは、未来を夢見る感性、それを現実にしようと他者と共に立ち向かう力
…ここにプロジェクト学習が次世代教育として応える。
鈴木敏恵 近著『AI時代の教育と評価』より
https://www.amazon.co.jp/dp/4316804359
連載:AI時代の教育ー次世代プロジェクト学習
次世代プロジェクト学習(以下「プロジェクト学習」)とは何か?
プロジェクト学習とポートフォリオの関係とは?についてお伝えします。
連載5:次世代プロジェクト学習とは
次世代プロジェクト学習とは
プロジェクト学習とは、学習者自身がビジョン、ミッション、ゴール=「何のために、何をやりとげたいのか」を明確にして向かう次世代教育。
プロジェクト学習の最大の特徴は、学習のゴールに他者に役立つ「知の成果物」を生み上げることにあります。
ビジョンとゴールこそすべて
ポートフォリオの最初のページには、ビジョンとゴールを描いた「ゴールシート」を入れます。「ゴールシート」をファイルの最初のページに入れます。常にビジョン(目的)とゴール(目標)が見えることで目的意識をもって、ぶれずにゴールへ自らの意志でむかうことを可能となるのです。
「ビジョン=なんのために(目的)」「ゴール=何をやり遂げたいのか(目標)」を常に掲げ俯瞰できることにより、客観的に考えることができるのでクオリティーの高い成果をもたらします。
目標が明確なために、自分自身がなにをどうすべきか詳細にイメージできることで自身のパファーマンスが向上するのです。
[図]ゴールシート
http://www.toshie-suzuki.net/14chiba/33goalsheet.pdf
プロジェクト学習とポートフォリオの関係
ポートフォリオで目標への軌跡を一元化しながら進めます。
プロジェクト学習の基本フェーズ
プロジェクト学習は8つのフェーズからなります。
phase1[準備]
↓
phase2[ビジョン・ゴール]
↓
phase3[計画]
↓
phase4[情報・解決策]
↓
phase5[制作]
↓
phase6[プレゼンテーション]
↓
phase7[再構築]
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phase8[成長確認]
プロジェクト学習で身につく力
[準備]のフェーズでは「課題発見力」を、[ビジョン・ゴール]では「目標設定力」を、[計画]では「すべきことを考え出せる力」を、[情報・解決策]では、臨機応変に状況対応しつつ情報を得て課題解決アイディアを生み出す力を、[制作]では課題解決のビジュアル表現力を、[プレゼンテーション]では知の共有の仕方を、[再構築]では論理的な表現力を、[成長確認]では経験をふり返り成長した自分を自覚します。
プロジェクト学習の基本フェーズごとに身につく力が明確にあります。
<基本フェーズで身につく力>
phase1[準備]…課題発見力
phase2[ビジョン・ゴール]…目標設定力
phase3[計画]…戦略的に計画する力
phase4[情報・解決策]…クリティカルシンキング・情報獲得力・対応力・発想力・課題解決力
phase5[制作]…簡潔な表現力・考えをビジュアル的に表現する力
phase6[プレゼンテーション]…コミュニケーション力・根拠ある説明力
phase7[再構築]…論理的に表現する力・言語能力
phase8[成長確認]…成長や成果を評価する力・成長しつづける意欲
プロジェクト学習は課題解決力を身につける
プロジェクト学習は、課題発見力や課題解決力が身につきます。[準備]のフェーズで、現実を見て課題発見して[情報・解決策]のフェーズで、なぜその課題が起こるのか、その要因を考え、取り除く課題解決のアイディアを考え出します。
[プレゼンテーション]のフェーズでは、課題解決のアイディアとともに、その思考プロセスを伝え、[再構築]のフェーズでは、現実に出来る課題解決提案集を生み出します。