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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第633号/2020年2月28日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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ポートフォリオを教育に活かす
ポートフォリオを成長や教育に活かすということは、具体的にどういうことなのか、それは現実にどうするのか‥ここをお伝えしていきたいと思います。
その前に肝心なのは、暗記や公式で解く問題や一般的な受験で求められる学力のようなこれまでの教育を必ずしも前提としない。新しい時代の教育を主に考える必要があるということです。
「意志ある学び」を叶えるために
AI時代に求められるのは、目の前の現実から課題を見いだせる力、確かな情報やデータを獲得し、多様な人々と考えを出し合い課題解決へ向かうプロジェクト思考が身につく学習と言えるでしょう。
この哲学と手法を具体的にしたものが「未来教育プロジェクト学習」です。
あらためて「未来教育プロジェクト学習」とは?
未来教育プロジェクト学習とは、学習者自身が何のために(ビジョン/目的)、何をやり遂げたいのか(ゴール/具体的な目標)を明確にした上で取り組む、筆者が20年ほど前から書籍や講演で提唱してきた次世代型の学びです。
学習者の「意志ある学び」を叶えるためには、(学校や指導者がもつ「教育目標」だけでなく)学習者自身が意義を感じるビジョン(目的)と具体的に、あそこまで行くぞ!
というゴールの標としての「目標」の存在がいるのです。
[参考サイト]「鈴木敏恵/未来教育ナレッジ全集」2000
http://www.toshie-suzuki.net/knowledge/
未来教育プロジェクト学習は、ビジョンとゴールを顕在化する「ゴールシート」の存在が大きな価値を持ちます。
「目標を明確にしてから授業をする」この手法は現在、多くの学校でスタンダードとなっています。
[図]ゴールシート
http://suzuki-toshie.net/mm-images/GOAL-SHEET.pdf
このゴールシートの存在がただのファイルをポートフォリオに進化させます。
[図]プロジェクト学習とポートフォリオの基本(1枚)
http://suzuki-toshie.net/mm-images/MM002.pdf
目的と目標をしっかり認識し、何のために何をやり遂げたいのかを自分のものとしてからはじめることはプロジェクト学習のキホン中の基本です。
ポートフォリオは未来への進捗を俯瞰する
ポートフォリオは、ゴールへの軌跡を綴じていくものです。(ここがアルバムや学習資料をただファイルとの違いです)。
それは、パーソナル(キャリア)ポートフォリオでもテーマ(課題)ポートフォリオでもどんなポートフォリオであっても同じです。
「正解のある学習」にも「正解のない学習」にも!ポートフォリオを活かす
本来、ビジョン(目的)やゴール(目標)がない学びはありません。
正解のある学習でも、正解のない学習でもビジョン(目的)やゴール(目標)は存在します。
ポートフォリオを教育にどう活かすのか、どうしたらいいのかを展開する際に、混乱しないため以下のように、A「正解がある学習」と B「正解がない学習」のように分けて考えます。
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A「正解がある学習」
例: 教科、専門知識の習得(クリニカルラダー、ルーブリック)
B「正解がない学習」
例:探求、課題解決学習、プロジェクト学習など
(*教科、クリニカルラダー、ルーブリックなども一概に正解がある学習とは言えない、という視点は次号以降で。)
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