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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第688号/2021年12月20日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)の理念
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、単に「デジタル化する」ことではなく、その理念は「デジタル化によるまったく新しいステージへの移行」「デジタル化することで“根本的”に変化する」です。だから情報環境が整備されても人間が変わらなければDXとは言えません。
予算をかけてICT教育企業協力のもと潤沢な機器、複数の大映像、eラーニングシステム、EdTechなど、さまざまな人的資源などが整備されても、教職員の根底にある教育や評価の考え方や価値観などがこれまでとそう変わってないならば教育DXとは言えないでしょう。
逆に、ごく普通の公立学校で特別な予算や整備がなくとも、この間のGIGAスクール構想で実現した「一人一台の情報端末とWi-Fi環境」というベースだけの整備でも、そこに未来の教育のイメージに基づいた理念や試みがあり、その成果として先生方や学生たちがまったく新しい姿を見せてくれて、これまでの授業や教育に対する概念そのものが根本的に変化したならば、そこには価値ある教育DX、未来教育への移行が起きていると言えるでしょう。
GIGAスクール構想/プロジェクト学習の実践
東京、国技館のすぐそばにある両国中学校では、GIGAスクール構想として一人一台の情報端末と学校のどこでも使えるWi-Fi環境を実現しています。
プロジェクト学習の実践として、1年生は『防災・避難プロジェクト』、2年生は『健康プロジェクト』、3年生は自分の進路を描き考える『未来プロジェクト』と各学年でプロジェクト学習を実施しています。
私はアドバイザーとして先生と協力して教育計画を考えたり、ときにオンラインで授業で子どもたちへ講義したりして応援しています。
【YouTube】GIGAスクール構想+プロジェクト学習
主体性「思考力・判断力・行動力」
学校の中だけでなく登下校中など、いつでも使える1人1台の情報端末をフルに活かし防災・避難プロジェクトを行いました。
そのプロセスにおいて、子どもたちの学び方、情報獲得のふるまい、その選択など思考力、判断力、表現力の高まりの変化はもちろん、プロジェクトチームの話し合い、互いの知の共有のスタイル、一人ひとりのものごとへの考え方、状況の捉え方、何より現実への行動力にとてもワクワクする変化、変容=「成長」がありました。
そのプロセスや成果を彼らのポートフォリオを元に先生方にお話ししていただきました。
目の前の現実から問題発見・解決する力
[未来教育ー全国大会2021]で、渋谷校長先生やプロジェクト学習を行った先生方に30分程度ご登場いただきました。ぜひ視聴ください。
【YouTube】教育DX+プロジェクト学習
いうまでもなく、デジタル化「1人1台の情報端末とWi-Fi環境」は目標でも目的でもなく『手段』です。目指すのは「意志ある学び」です。自分の頭で考え、判断して、表現、行動できる力です。
それらが叶うためには、そのすべての出だしに、目の前の現実を見て自分でそこから価値ある情報を獲得できること:課題発見力が必要です。
プロジェクト学習は確実に一人ひとりが主体的になり、この力が身につきます。
彼らの手元に常に使える1人1台の情報ツールがあることで、これまでは発揮できなかった、あるいは大人の目に見えなかった彼らの内的な力が発揮された素晴らしい成長を私たちは知る
ことができました。それは私の長年の夢でもありました。
【YouTube】鈴木敏恵 基調講演
教育DX+プロジェクト学習で何かが変わったか?
DXとは、大事なことが根本的に変わること、次のステージに移行すること。1人1台のデジタル環境でプロジェクト学習を行うことで根本的に何かが変化したか?
以下に、何がどう変わったのか、変化のポイントをお伝えします、動画をみながら参考にしていただければ幸いです。
1年生の「防災・避難プロジェクト」はどのようなものか、動画と共に以下の知の成果=凝縮ポートフォリオの表紙を見ていただければわかります。
教育DX:チェンジポイント
テーチングからコーチングへ変化した
このプロジェクト学習は、生徒一人ひとりの通学路(その周辺地域)がステージです。
そこにある、地震など災害時の問題箇所や課題発見は、その生徒が一番身近で認識しています。
そこには正解も模範回答もないので先生が教えることはできません。
ポートフォリオを見ながら少し離れたところからコーチングで彼らに関わります。
指示して動く→「主体性」発揮に変化した
自分たちの目的のために自ら企業へアポをとり訪問する生徒たち
世の中や物事の見方・捉え方が変わった
・上空から俯瞰してみることができる「Googleアース」
・道や街の様子などを考えるとき役立つ「Google ストリートビュー」
・指先一つで拡大して建物が持つ特徴を確認できるタブレット機能
現実を「俯瞰」するようになった
一斉授業→個別最適化な学びへ変わった
プロジェクト学習は正解のあるものではなく、対座する事柄により一人ひとりの取り組みも気付きも多様です、そこにいつでも写真撮影できるタブレット、メモ機能などが有効。
調べる→情報獲得へ変わった
グラっと来たときに命が危ない!という箇所を見つける、という狙いで通学途中で写真をどんどんポートフォリオへ獲得する生徒。
全員が意見を出すように変わった
対面では自分の考えや意見が言えない生徒も、パソコンの中での話し合いや意見出しは思いがけず積極的だったり、いい気付きで参加する。
自分を客観的に見ることができるようになる
・ポートフォリオで自分の思考と行動が読み取れるようになった
・自分の心身を健康の視点で見るようになった
他にもこんな変化が‥
□ 学びのステージが教室から現実社会へ変化した
□ タイムラグがないから意欲と集中が継続するようになった!
□ リアル情報を共有してクリティカルシンキングができる変化
□ エビデンスをもとに創造的に話し合うようになった
□ 情報獲得の俊敏さ
□ 現実から問題発見していくプロセスに価値を感じる変化
□ 他者意識で物事を捉える!変化
教育DXに命を吹き込む [ポートフォリオ・プロジェクト学習]
上のようなおさえどころであらためて動画を視聴ください。
この動画の見方
※「字幕」表示でわかりやすくどうぞ
※「目次:タイムテーブル」が便利です
※ Zoomでも「同じ空間にいるような」対話テンポにもご注目ください
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関連情報
【避難・防災】【学校】自分で考え行動できるためには情報がいる
https://youtu.be/lIb6fhr168c