□□───────────────□□
【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第631号/2020年2月23日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
□□───────────────□□
Essay:「価値ある仕事」
学校の先生をブラックな仕事と簡単に言わないで。先生を目指す若者たちのイメージに影響するから。
学校に1日いて、先生方の子どもたちへの眼差しを見てると、看護師さんと共通する「価値ある尊い仕事」とやっぱり私は思う。
山口市立生雲小学校
子どもたちも先生方も素敵な学校でした!
『自己理解』『課題解決』『自己管理』にポートフォリオを活かす
ポートフォリオは自分を客観的に見ることや、思考プロセスを俯瞰することを叶えます。
客観的に見ることで冷静に考えることができます、自らの経験したことの価値や意味に気づきます。また思考プロセスを追えることで、思考と行動を遡り、原因と結果を結びつけることができます。課題発見から解決に至る目標到達へ、布石を確認することもできます。
これらは普遍的なポートフォリオの本質、どんな目的で使われるポートフォリオであったとしても、共通することと言えます。
なぜ3つのポートフォリオか?
20年以上前から私はポートフォリオを提唱してきました、その当初からポートフォリオの種類を3つに絞っていました。
(1)「パーソナルポートフォリオ」(キャリア・ポートフォリオ、キャリア・パスポートと言う表現で学習指導要領に記載)
(2)「テーマポートフォリオ」
(3)「ライフポートフォリオ」
の3種です。
いずれも人間としての成長にポートフォリオを活かすためです。
ポートフォリオを教育に活かすためには活用するシーンで絞ったほうが効果を発揮します。
またポートフォリオを活かす「対話コーチング」など新しい教育力を身につけるためには、分けて考えることで、目的に応じた教育力、フィードバックのタイミング、評価手段などをより具体的に設計することを可能とします。
パーソナル(キャリア)ポートフォリオは『自己理解ツール』
自分が生み出した作品や経験したことや活動したこと、関心あるものを入れたパーソナルポートフォリオからは、資質や才能などを見出すことができ、得意や個性を活かす未来を目指すシーン、キャリアデザインや進路、面接、自己紹介、人生の転機などに活きます。
自尊感情、自己肯定感、自信にとても効果をもたらします。
それはそのまま面接者や指導者が見れば、その人の得意や個性、可能性などを知ることができるので採用面接や人事などに活かせます。パーソナルポートフォリオは、小中学校における「キャリア・パスポート」の本質的な存在として効果を発揮します。
テーマポートフォリオは『課題解決ツール』
「テーマポートフォリオ」は、思考プロセスが見えるので課題解決力、目標設定や思考力、判断力、戦略的な行動力などを高めることに有効です。
課題発見、目標設定、情報獲得など課題解決に至る一連の思考プロセスが見えるので目標管理、プロジェクト学習(研修)、学校における総合的な学習の時間、探究の時間などに活きます。
ライフポートフォリオは『自己管理ツール』
ライフポートフォリオは、自らの生活や健康を自己管理(セルフマネージメント)することを目的としています。ここに身体シートや生活シートが役立ちます。
*「身体シート」
https://bit.ly/2T1kH02
*「生活シート」
https://bit.ly/2ukNGDP
すべてのポートフォリオの包括概念
パーソナル(キャリア)ポートフォリオは、その人がやったことばかりでなく、自らの意志で課題を見出し探究した活動やプロジェクト学習のアウトカム=「他者に役立つ知の成果」も当然含みます。
学校の中だけでなく、自己の学びや仕事、経験など生きていく中で価値あるものを自らの選択でポートフォリオとします。
パーソナル(=個人、学校や所属する組織を超越)ポートフォリオは 他のすべてのポートフォリオを包括する存在と言えます。
次号へ続く