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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第628号/2020年1月24日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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「外観を見て構造を考える」
自分の思考特性が自分でわかるためには時間と他者との出会いが要る‥だんだんに私も自分の思考特性らしきものが見えてきました。それは建築の世界にどっぷりいたことも影響していると思います。
私は、何かを見たとき、その「構造は?」をまず考えます。建築家は一つのものを見るときも、つくりあげ創造するときも、「外観を見て構造を考える」のです。
このメタ化だけではなく、すごく離れたところからも見て、その対象と背景の空との輪郭線のデザイン「スカイライン」も同時にイメージします。
ポートフォリオを成長に活かす
学校も社会も‥ポートフォリオ活用
今や小学校から大学に至るまで「ポートフォリオ」という言葉を聞いたことがない、という教育関係者はいないのではないでしょうか?山口県でも小中学校で一斉にキャリアパスポート(キャリアポートフォリオ)をスタートします。
〇 小中学校の先生方へポートフォリオ講演
2000年に日本ではじめて、ポートフォリオを意志ある学びのために活かそうと提唱した『ポートフォリオで評価革命!(学事出版)』を出版しました。
そして今日までポートフォリオ、プロジェクト学習、対話コーチングなどの本を45冊以上出してきました。
それは多くの方に読まれ小学校から大学、そして自治体や公的機関においてポートフォリオを教育や人材育成目標管理に活かせるという新しい提案を実現することが叶っています。
今またポートフォリオ第3次ブームとも感じています。
〇 専攻医ポートフォリオ発表会
〇 多職種「目標管理成果発表会」にてポートフォリオ講演
カタチだけのポートフォリオになってない?
学習指導要領に登場したので学校関係者はもちろんですが社会においてもポートフォリオ、プロジェクト学習の存在が新しい教育、研修、人材育成のプラットフォームとなりつつある感もあります。
しかしその現状は、充分な説明なく「空(から)のファイル」のファイルを学習者やスタッフへ配布するだけで終えている、あるいは、進路や新人研修の時だけ使うということが圧倒的に多いと感じます。
その本来の意味や価値を知らぬままのポートフォリオ導入であると感じます。
ポートフォリオは判定でなく成長に活かす
何より肝心なことは、ポートフォリオは新しい時代の教育、課題解決力、そのための思考力、判断力、行動力などにプロジェクト学習と合わせ切り札となる有効性を持ちながらそこに充分に活かされていないことです。
「出来ている、できていない」「〇〇は達成したのか」というかつての教育や評価の考え方のまま、ポートフォリオを見ているとすれば、それは対象者のその時点の『知識、スキル』だけしか見えていない、評価していないとも言えます。
肝心なのは、
ポートフォリオを判定に活かす、ではなく
ポートフォリオは成長に活かす、という意志とそのために必要な教育力‥例えば「対話コーチング」を新しく身につけることです。
次回に続く‥