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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第629号/2020年1月29日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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エッセイ:「葉隠の書」
今年、実家の戸袋の奥から「葉隠」が出てきました。
亡くなった父がまだ学校に上がる前、学問を授かった僧侶にいただいたものかもしれません、当時すでに古本だった感です。
「外観よりも内容が眼目」
「執着を断てば死中に活を得る」
「自己を甘やかすな」
「公私の別はなきように」
「正念なる所に威儀生ず」‥‥
この葉隠にあるいくつかを、父自身も無意識に幼かった私へ伝えてくれていたような気もします。
話してくれた声は覚えていません。本に父が書いた字がありました、確かに父が触れた本と思うと何かあたたかな不思議な気持ちになります。
通り一遍の「リフレクション」になってない?
学校でのポートフォリオは、一方向の評価、判定に使われることが多いと感じます。
そうなるとそこに本人のリフレクションが書かれていても、なんとなく通り一遍なリフレクションとなりがちです。
成長に活きる「リフレクション」
成長するためのリフレクションは、ただふりかえり感想を書くことでも自己分析的なことを書いて終えるものでもありません。
自らのポートフォリオを俯瞰し、そこにある自己とそれを見ているたった今の自己が対話する‥その時の行動や思考をあらためて見て、もっと聡明なふるまいができるためいろいろ考え、そのことがそこに書かれます。
この本人が自己対話しつつ思考することに価値があります、そうできることがすでに成長の証とも言えます。
このようにポートフォリオを活かすためには、ただ「リフレクションしましょう、ふりかえりを書きましょう」と言うだけでは叶いません。
本人を知るファシリテーター的役割の存在がその前にたくみな布石や言葉かけができる能力やセンスが求められます。
リフレクションへどんなコメントを返せるか?
また書かれたリフレクションに対し、どのようなコメントをフィードバックできるのか?
がとても重要と言えます。多くのポートフォリオにはそれが少ない、あっても無自覚に「上から目線」で書かれていることが多いと感じます。ここに対話的なコーチングを身につけることが有効なのです。
そのポートフォリオで主体性を評価できるのか?
さらに、すべての前提として「この枠の中に**を記入しましょう、ここにはリフレクションを書きましょう」と記入を指示した「定型のシート」だけが綴じられているポートフォリオであったり、教師が促したものしか書いてない、入っていないものであれば、リアルなポートフォリオであろうとeポートフォリオであろうと、それは本来の意味のポートフォリオとは呼べないのではないでしょうか。
まして『主体性を評価する手段としてeポートフォリオ』とは言えないと思います。
【関連】「JAPAN e-Portfolio」について
https://bit.ly/2GsD4Fr
次回に続く‥
鈴木敏恵の講演予定(2020年1月31日以降)
・1月31日 栃木
http://suzuki-toshie.net/news/2663/
・2月19日 山口
http://suzuki-toshie.net/news/2655/
・2月24日 大阪
http://suzuki-toshie.net/news/2641/