【未来教育MM704】教育DX‥「学習者が自らデザインする学び」のカリキュラムマネージメント

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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第704号/2022年5月22日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( https://www.suzuki-toshie.net
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目次

自ら「学びのデザイン」をする

DXですべての分野、領域が根本的にかわりつつある今、卒業後も自ら学び続けるという社会にすでに突入しています。

ワクワクと学び続ける人になる教育

そして人生100年時代。そうなると10代や20代のとき、学校で成績がいいとか、偏差値が‥とか、内申書が、進路が‥大学はどこ?学歴は?など気にしていたのはほんの最初のいっときということになります。

学びステージの進化とポートフォリオ
学びステージの進化とポートフォリオ

いまDXは、学びや仕事のステージを大きく変えつつあります。

いずれにしても「自ら学び続けること」が人生を輝かせるために価値があることは普遍です。
しかしずっと学び続ける‥となると「イヤイヤ学ぶ」ではもちません。「ワクワクと学び続けたい」ここにポートフォリオやプロジェクト学習の経験が役立ちます。

果樹園で自ら採った「りんご」が沢山カゴに入っていると嬉しかったりします、ポートフォリオも同様です。
自分が手に入れた学びでどんな成長を果たせているか考えるとワクワクします。

ポートフォリオで自らの学びを一元化
ポートフォリオで自らの学びを一元化

プロジェクト学習の経験は、学習者を「未来志向」にします。

学習者自身がさまざまな学びの手段を活かすことができる今、一人ひとりが自分の願う未来を描き、その実現のために世界でひとつの自分だけの「キャリア・カリキュラム」を作り自らの未来ビジョンへ向かいます、ポートフォリオにそのゴールへの軌跡を入れていきます。

ポートフォリオは未来へのパスポートとして、まだ見ぬ世界へ向かう力となります。

自らの「学びをデザイン」する

教育が激変する中、現場ではカリキュラムマネージメント、カリキュラムデザインをどうする?
ここに時間や労力が注がれています。しかしすでに知的コンテンツは必ずしも学校で先生から教えてもらわなくともネット空間に溢れています。

オンラインで誰でも、論文や学会や現地などから知識や情報を手に入れることが出来る環境はすでにあります。
専門家や当事者とネットで顔を見ながらライブで直接話を聞けることもできます。
どんなふうに学ぶか「学びのスタイルは、自分で決めたい」そんなふうに思っている学生も増えてきました。

教育DX-知の流れの変化
教育DX-知の流れの変化

「学校の先生からデジタル教科書で教えてもらう」ことさえ超越し、学習者自身が「自らの学び方をデザインする」ことがが出来る新しいカリキュラムマネージメントがもっと広がってもいいのではないでしょうか。

一人ひとりが「自分で自分の学びをデザイン出来るようにする」、このことは最も本質をついたキャリア教育の到達点とも言えるでしょう。

DX時代の新しい教育は、「魚を与える」教育でもなく「釣り竿を与える」教育でもなく‥
一人ひとりが望む魚を手に入れることが出来るよう自分で「オリジナルの釣り竿をつくることが出来る」ようにする教育‥言うところでしょうか。

アーキテクチャーの拠り所

「学びのデザイン」をする上で必要なのは、ICTによる個別最適な学びの手段や進度、学習環境などの一つひとつではなく、それら全体を包括するアーキテクチャー(設計思想、その設計思想に基づいて構築されたシステムの全体構造)と言えます。

「学びのデザイン」をするためには、アーキテクチャーの拠り所とも言える「ビジョン」の存在が必要です。
未来にこう生きたいというビジョンの存在は「私は何のために学ぶのか?」という、その芯とも拠り所とも言える不可欠なものです。

この未来のために私は学びたい

未来へロックオン
未来へロックオン

「この未来のために私は学びたい」と自分の未来を描けるキャリア教育、キャリアデザインをイメージする機会やそこを織り込んだ思い切ったシラバスの考え方こそがカリキュラムマネージメントの鍵とも言えそうです。

いつものオンライン授業に多様な人々の参加を!

ビジョンとは未来への願い、ありたい状態を描ける力とも言えます。
明確に決められなくていいんです、未来思考、未来志向であること自体に価値があります。

こんなふうになりたいなとか、こう生きたいな、など自由に伸びやかに描く、そのためには多様な人に会い多様な生き方を知ること交流が本当に有効です。

世の中はいろいろな生き方や人生にあふれていますから、多様な人々とより潤沢に交流しあいながら、互いに学び合うことを果たせるオンライン活用は、自分と近い価値観の人ばかりとの出会いや閉塞的な雰囲気を一気に変えて、学生たちの描く未来をより広く自由なものにする‥それらは彼らの人生の充実につながります。

特別なイベントではなく、気軽に日常的に、いつものオンライン授業にギャラリービューで色々な人の顔が見える!というシーンを設けることも、学習者が未来志向になるために先生ができる価値あることの一つと言えるでしょう。

ポートフォリオは生涯のもの

ポートフォリオは、自分の現在と未来のために生涯ずっとそばに置く存在、自らの意志でつくるものです。

どうしようかなと迷ったらポートフォリオへ入れておきます。
一年の最後に「一年間ポートフォリオ」を見直し、その中から自分が重要と思うものを「生涯キャリアポートフォリオ」 へ入れるというようなこともいいかもしれません。

自分がやってきたことを丁寧に 振り返り、あらためて大事なことに気づく機会にもなります。

DXで学校も社会も一つになる

DXのとき、学び方も働き方もしなやかに融合します。オンライン環境が整い、学校の中に社会をライブでとり込み新鮮なコンテンツで学ぶことを容易にしました。
社会で働きつつ世界のどこであれ望む学びに参加することが出来ます。

スマートテクノロジーも周辺システムももはや実現しています。
あとは、新しい自由でしなやかな学び、それをどう当たり前の風景として、学びの中に潤沢に戦略的に活かすかは、私たち自身のアイディアと挑戦心、次第です!

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★ 著作の増刷・デジタル化について

☆ 『ポートフォリオで未来の教育 次世代の教育者・指導者のテキスト』増刷になりました。
とても読みやすく使いやすい本です、よろしければお読みください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4818021997

未来へロックオン

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