【未来教育MM683】オンライン講演のお知らせ/ちょっと混乱してる?!金庫にポートフォリオ

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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第683号/2021年8月27日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net
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目次

オンライン講演『意志ある学び・未来教育-全国大会2.0』開催のお知らせ

2021年9月25日(土)『意志ある学び・未来教育-全国大会2.0』を開催します。
教育界、医療界、公的機関のみなさま、ぜひご参加ください。

【実施】2021年9月25日(土) 終日
【主催】シンクタンク未来教育ビジョン
【講師】鈴木敏恵ほか学校や医療機関の実践者
【対象】学校教育・医療機関関係
【費用】無料
【会場】Zoom
【申込】申込方法は後日に。

【テーマ】
オンラインで成功させる!意欲が高まるプロジェクト学習・ポートフォリオ対話

・鈴木敏恵と実践者がたっぷりな役立ちグラフック資料を活かし楽しく対話スタイルでお伝えします。

・すてきな笑顔の大学生たちが人間的COVID-19対応プロジェクト学習をプレゼンしてくれます!

【内容】
・意志ある学びで能力と人間性を高めるプロジェクト学習の実践報告(講義・資料)
・ポートフォリオのプロセス評価で自ら考える力を高める教育力とは
・自尊感情を高め、未来をひらくキャリアパスポート
・変わる学校教育に対し、医療機関も「研修・教育」をイノベーションしよう!
・新しい看護教育を先取りプロジェクト学習導入カリキュラムマネージメント(実践)
・主体性どころじゃない!コロナ禍を逆手に「第三の実習」戦略的アイディア
・組織のよりよき未来へ‥新しい教育導入を「ハイブリッド研修」と「ポートフォリオ導入」

【こんな方に役立ちます!】
・自分の未来を大切にしたい人、人間を大切にする新しい教育に関心のある方
・カリキュラムマネージメント作成者、指導者、管理職
・AIやテクノロジーに代替えできない包括的な知性が求められる仕事や組織のイノベーションを願う教育者や看護師、医療者など
・新しい時代に関心がありビジョンを目に見えるカタチにする方法を得たい人
・高度な「ひとコンピテンシー」の教育力や組織全体のカリキュラムマネージメントを考えたい指導者など

ポートフォリオとオンライン学習(4)

前回の未来教育MMでは「‥‥GIGA構想では、ポートフォリオは学習のプロセスが見えるので、自己とのコミュニケーションの手段に有効とされています。しかし実際にはどうなのか?(略)人間にしかできない教育、人間にしかできない評価‥ここにポートフォリオは不可欠です。

ここに応えるようにしばしば用いられる表現、ポートフォリオでプロセスを評価する、プロセスに関わり対話コーチングをする、とは実際には?‥」までお伝えしました。

なぜこのことを書いたかといえば、私が学校や自治体、医療機関などの未来構想アドバイザーをする中で、「ポートフォリオを活かした評価や対話って具体的に何をどうするの?」という質問をされることが多いからです。

どうもその質問の前提に「ポートフォリオ」に関する情報があまりにもいろいろで、その捉え方に混乱があるのではないかと気づきました。

ちょっと混乱してる?!金庫にポートフォリオ?!

すでにキャリアパスポート(ポートフォリオ)は一斉に日本中の学校で本格的にスタートしました。ポートフォリオ広がったことは嬉しいことなのですが、学校現場におけるその現状はどうでしょうか?

文部科学省→各自治体の教育委員会→学校(キャリア教育担当)→担任という伝達の中、それは学習者自身が記入する内申書(?)的な存在で、小学校から中学校へ、中学校から高校へとパスポート(?)的なものになりつつあります。

その大事なパスポートが紛失することがないように、学校中の生徒のキャリアパスポート(ポートフォリオ)は集められ、職員室の金庫に入れられていることも珍しくはない‥はじめは驚きましたが先生方の気持ちもわかります、生徒たちは、プリントを無くすのです‥。

<視点>
教育界以外のポートフォリオ…チマタ(一般社会)ではポートフォリオといえば資金の分散投資などを意味しますから、逆に「金庫にポートフォリオ」は当然って受け止める方もいそうです。

※文科省「JAPAN e-Portfolio」運営許可の取り消しについて
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1413458.htm

GIGAスクール構想クラウドに蓄積されるeポートフォリオ?

コロナの影響で前倒しとなったGIGAスクール構想。一人一台端末が実現。主要教科をデジタル教科書で総括的に学ぶことが校内システムとして導入されれば生徒の学習はクラウドに自動的に記録保存されます、それは(学習者自身が意識しなくとも)eラーニングの軌跡として学習行動・履歴となり、eポートフォリオとして進路に活きます‥などICT導入パンフレットには書かれていることもあります。

このように国、民間の教育産業、受験‥いろいろな角度から「ポートフォリオ」という言葉が先生たちの耳に入りますので戸惑いがあるのも当然と思います。

また小中高校の先生方から「キャリアパスポート(ポートフォリオ)って何の役に立つの?」「うまく書けない子にどう指導したらいいのか?」「キャリアパスポートのシートに書くことがないという子にはどうしたらいいか?」「学習に使うポートフォリオとこのキャリアパスポート(ポートフォリオ)は同じもの?」「‥違いますよね?」というような質問をされることもあります。

ひろゆきさんの1分に満たない「ポートフォリオとは?」の説明がわかりやすくその本質を伝えます(1:00:00から50秒程度)。
https://youtu.be/kmNICmkH-JY?t=3594

ポートフォリオの源は‥シンプル&ピュア

ポートフォリオは、デザイナーや建築家が自分の個性や才能などを伝えるためにこれまでの自分の作品を一冊に綴じたものです。だから私もポートフォリオを持っています。

ポートフォリオを見れば、点数化、数値化できない、その人ならではのものが評価できる=見出すことができるというわけです(正解のないものへの評価は、合っている、合っていないと判断するものでも○×つけるものでもありません)、評価とは“価値”を見出すことですから!

多くの教育者たちが、デザイナーなどのポートフォリオを見てポートフォリオを使えば、従来の学力テストなどでは見出すことができない一人ひとりの資質や個性、素質などを見出すことができ、多様性に満ちた子どもたちの可能性を見出すことができるのではないかと気づいたのです。

ところがいま逆に「ポートフォリオをどう点数化するか?」「ポートフォリオをルーブリックで評価することを検討する」という動きもあるようです‥。

学習には「正解」や「定型」ある、それと照らし合わせて採点するのが評価--としてきたこれまでの経験がありますからポートフォリオにも当然同じように評価をしなければと考える現状も理解できますが‥その前に、これまでの教育や評価に対する認識をRethink(考え直す)することが私たちに必要と感じます。

・  ・  ・

ポートフォリオを活かした評価とは何なのか?
ここを叶えるのが「元ポートフォリオ」とそれを自らの意志で再構築したアウトカム=「凝縮ポートフォリオ」の存在です。

出典:書籍『AI時代の教育と評価』P.120~121参照
https://amzn.to/3ef6R4F

ポートフォリオを活かした評価‥そのために教師や指導者は、ポートフォリオ(元ポートフォリオ)から価値あるプロセスを見出し成長を高めるために「対話コーチング」を身につける必要があります。

次号に続く

『意志ある学び・未来教育-全国大会2.0』の案内

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