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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第636号/2020年3月30日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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どんな教育にポートフォリオを活かすのか?
どんな教育にポートフォリオを活かすのか、ざっくり言えば、大きく2つ。
1つは、知識やスキル習得のように正解や定型があるもの、もう1つは、探求やプロジェクト学習のように「正解がない学び」です。
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A「正解がある学習」
例: 教科、専門的な知識、スキルなど(クリニカルラダー等)
B「正解がない学習」
例:探求、課題解決学習、プロジェクト学習など
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上記のAかBかによってポートフォリオをどう教育に活用するか、そのコーチングや評価の
考え方などは異なります。
ポートフォリオを活かす評価
どんな教育や学びにポートフォリオを活かすにしても、やりっぱなしでは成長しません。
「評価」は不可欠です。
しかしどんな評価でも「評価」単独で存在することはありません。照らし合わせるものが必要なのです。
「目標(ここまで)」と「成果(やったこと)」を照らし合わせて「評価」する、これが評価のセオリーです。
この「目標」についてはいろいろな捉え方があります。「何分で出来た」「いくつ問題を解けた」「何メートル泳げた」というような数値がある「目標」もありますし、あそこまで目指すぞというランドマークのような「目標」もあります。
いずれにしろ、ポートフォリオを教育に活かす際も「明確な目標(ゴール)」の存在が必要になります。
ポートフォリオ活用ラダー(Ladder)
「ポートフォリオを教育にもっと活かそう」ここを考えるとき、「いまはどうなの?」と現状を知ることが必要です。
ということで、ポートフォリオを導入している教育者、指導者としてポートフォリオをどこまで活かせているか?を考える目安として以下に大きく4つ段階のラダー(Ladder)を用意してみました。
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▼ポートフォリオ活用の4段階
【STAGE 1】「ポートフォリオをつくりなさい」と伝える(授業中にポートフォリオを活用することはない)
【STAGE 2】学習者のポートフォリオを見て「どこまで知識やスキル習得が進捗しているか」を理解しようとしている。
【STAGE 3】ポートフォリオを活かし学習者へフィードバックの言葉を伝えることができる。(一方向:指導者から学習者へ)
【STAGE 4】ポートフォリを活かし、学習者の思考プロセスを追いながら「対話コーチング」ができる。
(双方向:指導者と学習者で対話・ラリーのように)
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次回に続く
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命に関わりますのでこれ以上重要なことはないと言えます。
しかしだからといって、ほかの大切な情報にも目を向けることも大事にしたいと思っています。
とくに子どもたち、若者たちのネットに提供される個人情報に関することは、尊厳に関わり大切なことなので注目する必要を感じています。
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