特別増刊『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』第22号

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☆『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』☆特別増刊22号☆
6月19日・月曜日発行
発行者:鈴木敏恵 編集者:梶原末廣 suzukimm@ma3.justnet.ne.jp
  [ホームページ] http://www.suzukitoshie.net/miraiinfo.html
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【連 載】

目次

「パイオニアになりたいなぁ」(2)

スロツビー堀内 薫(アメリカワイオミング州)
E-mail:dagu@prodigy.net

☆★「偉大なる先生」(教育実習奮戦記)★☆

 私の通っていたワイオミング州立大学の教育学部では、卒業には四ヶ月の教育実習を終えることが必要です。幸い、家から五分のところにある高校の社会科を割り当てられ、1998年の一月から五月上旬まで教育実習生としてお世話になりました。この実習に関しては、それだけで、本が一冊できるんじゃないかと思うくらい、“ドツボ”から“気分は最高”まで、いろいろ体験させてもらいました(これについては、また書きます)。クラスの半分の生徒から“総スカン”されたことも、親から抗議の電話がかかったことも、面と向かって“つまらない授業!”といわれたこともあります。

指導教師が二人いたのですが、二人のティーチングスタイルがとても違っているために、かつ、なぜかしら“指導教師のスタイルに合わさないと”と思いこんでいた私は、パニックにもなりました。

 高校受験がないので、学力が非常に違っている生徒たちが一つの学校で学んでいるということ、盲目の生徒、車椅子の生徒などの身体的障害、また知的障害をもった生徒もそこで学んでいるということにも、考えさせられました。

すでに母親になっている生徒、プロジェクトに必要な材料が買えない子、家にはさみやカラーマーカーがないために、宿題をすることが出来ない子、なんらかの事情でコミュニティの施設から通ってくる子。社会学の教科書に載っていた事柄が、実例となって目の前に表れているように感じました。

“私って、雑草のように育ったつもりだったけど、実は温室育ちだったんだぁ、、、”と思ったのも、教育実習のときでした。

 最初の一ヶ月半は、不安とストレスで“人生で今が一番辛いわぁ〜”と、同じ高校に割り当てられた大学のクラスメイト、リックに言っていました。リックは、特にアメリカ史に関しては、“歩く百科事典”ともいうべき人で、英語もあたりまえだけどネイティブ、それに比べて、私は、教える学科の知識も乏しいし、英語も悲惨、あぁ、、、と落ち込む材料はどこにでもありました。

“もう、私みたいなのが教育学部にいったのが、そもそもの間違いなんやわ。先生なんか、なれっこないわ。でも、じゃあ、何をしたらええんやろ?また、学部を変える?でも、どの学部?”この会話を心の中で何回したかわかりません。

 こ〜んなに落ち込んでいて、ど〜しよ〜もないくらい暗かった私が、“これから、教育というキャリアで成長しよっ!”と決心するまでになった波瀾万丈の四ヶ月の教育実習(ちぃっと大げさかな。でも、8キロやせたしなぁ、、)。今、教師二年目を終えて、三年目に向けて“あれもやりたい、これもやりたい”とわくわくしているんだから、人生ってわからんよなぁ〜と心から思います。

教育実習の最終日に撮った写真は、今、コンピューターモニターの上に飾られています。生徒たちと一緒に、ニッコニッコ笑っています。私の偉大なる先生であった生徒たち。今でも、落ち込んだときは、じぃっと見つめてしまうんですよねぇ、この写真。
                
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===編集後記===
 スロツビー堀内薫さんの「パイオニアになりたいなぁ」の第2回
目です。日本の場合「小学校は1ヶ月」「中高は2週間」の教育実
習ですね。4ヶ月の教育実習、うらやましいの一言です。スキルア
ップが出来るのもわかります。前回も書きましたが、薫さんのパイ
オニア精神はいったいどこから来るのでしょう!ますます先が楽し
みになっています。
尚、「中高MM」ご購読の皆様には重複しますことお許しくださ
い。 
 皆様のご意見・ご感想をお待ちしています。(梶原末廣)
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『鈴木敏恵の未来教育インフォメーション』☆5月5日創刊☆
発行者:鈴木敏恵 編集者:梶原末廣  suzukimm@ma3.justnet.ne.jp
          【発行部数752名】(6/19)
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発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
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■【未来教育MM】●マガジンID:0000031436
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