【未来教育MM644号】オンライン学習を超えて‥その時、先生の役割は変化する

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【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第644号/2020年6月25日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
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目次

AIは何で生きている?

イメージパネル「AIは過去データで生きている。人間は未来をイメージし現実にするために生きている」

AIは、過去の膨大なデータがあってはじめて存在すると言えます。

では人間は、何のために存在しているのかと考える時‥私は、未来を夢見て想像し‥それを想像に終えず、現実に創造するためにいると感じています。
それは人間にしかできないからです。

ここに未来教育プロジェクト学習が活きます。

オンライン学習を超えて‥その時、先生の役割は変化する

学校の先生はどのような役割になるのか?

オンライン授業でも、リアル授業(学校の教室で行う授業)でも、インターネットが登場した時から先生の役割はすでに大きく変わっています。

「AI時代ー教育の変化」の図は、教育者のふるまいの変化と学習者の身につくものを、過去から現在、未来へ渡り書いたものです。この未来教育MMではなんどもお伝えしていますが、あらためて書きます。

[イメージ図]自ら考える学習者へ

[イメージ図]自ら考える学習者へ

この図では先生の役割、行動について、コマンド→ティーチング(→ファシリテータ)→コーチ→そして学習者のセルフコーチングを促せる人、と進化させて表現しています。

昔、先生は「コマンド」する人

先生は学習者へ、このリンゴを食べなさい(=これを覚えなさい)と知識を与える。
先生が学習者の口元までリンゴを入れてくれますから、学習者は何もしなくても机に座っていればいいので、ある意味ラクです。

しかし自分の頭で考えることのないこの従順さは、本人にとっても社会にとってもとても危険なことです。

先生は「ティーチャー」から「ファシリテータ」へ

先生は教科書や資料を使い学習者へ知識を与えます。それだけではありません。

今、ネットには様々な教育コンテンツがあります。また専門家や大学の研究者に遠隔から高度な内容を講義してもらうことも容易にできます。そのとき、先生の役割は、「教える人(ティーチャー)」から、「ファシリテータ(促進者)」へ変化します。

「知を活かす、ファシリテータ」のイメージ画像

学習者の性格や理解度をよく知っているファシリテータ、学習者のちょっとした表情の変化や様子をよく見るファシリテータです、ここが肝心なところです。

外部講師は、専門知識はあっても、学習者について関心を持っているとは限りませんし、オンライン越しには、わからないかもしれませんから。

「対話コーチング」で知の共有、知の触発

アクティブな学び、深い考えには、多面的、多角的な視点が欠かせません。ここに自分以外の存在とともに学ぶ意味や価値があります。

先生は、「共通するテーマで探求する数人の学習者」で構成される教室で、ファシリテーターとして対話コーチングを駆使するなどして、学習者のアクティブで深い思考を促します。

知の触発のイメージ画像

さらに学習者同士が互いに考えやアイディアを発展させることや知の共有、知の触発を叶えるために一層、戦略的な対話コーチングを駆使します。

Zoom「ブレークアウトセッション」機能

学校でこのような対話コーチングを活かして学習者同士のアクティブな学びを実践できていた先生だけが、オンライン授業でも、Zoomの「ブレイクアウトルーム (ブレークアウトセッション) 機能」を活かし、オンラインでもグループごとの有意義な話し合いのシーンを叶えることができます。

自ら知を求める人のオンライン学習

オンライン授業、在宅学習では自律的に学べる学習者であることが求められます。自宅で画面越しに学んでいるのですから、集中が切れればトイレへ行ったり、寝たりしようと思えばできますから。

ふだんから自律的に動ける学習者であれば、先生がそばにいなくても自分で学習を進めることが難しくなかったかもしれません。しかしそのような学習者が、今回どの程度いたのかはわかりません(多分、私もムリ)。

「知名k樹園」のイメージ画像

大事なことはただ一つ、意志ある学びか否かです。

本人が自らの成長を望むなら、先生がいなくても成長します。

意志ある学び「自らの成長を望む人」「自ら学び続ける人」ここをどう叶えるのか‥

いずれにしても、今回のオンライン授業の全国的なスタートが、教育のあり方をダイナミックに次のステージへ進化されるきっかけになることを願っています。

鈴木敏恵の未来教育インフォメーション

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