CASE-14

東御市民病院

ポートフォリオを活かして目標面談/全部署で「オリジナルのキャリアラダー」作成プロジェクト

  • 東御市民病院のオンライン学習イメージ
  • 東御市民病院のキャリアラダー航海図

実践事例の様子

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実践者の声

東御市民病院看護部長 新納郁子さんの顔写真

東御市民病院看護部長 新納 郁子さん

当院は自ら学び続けられる教育環境を作るため、2021年度からポートフォリオを活用したプロジェクト学習を導入しました。職員教育や人材育成を集合研修で行うことに限界を感じ、職員が自ら生きいきと学び成長するための教育環境を作るヒントを模索していたとき、鈴木先生の「意志ある学び」というワードに出会いました。

今私たちは「将来の変化に強い、より良い東御市民病院にしたい」とうビジョンに向かいキャリアラダー作成プロジェクトチームを作って動き出したところです。教育方法を変える起爆剤となったのは、世の中の教育の変化を知ったことです。与えられるのではなく自ら掴むプロジェクト学習の手法で主体性が高められるという期待と共に、未来志向の考え方にワクワク感を感じました。

基本学習をオンラインで開始し、半年後には自分たちのパーソナルポートフォリオを発表しあいました。薬剤師が「地域の薬剤師と連携し地域包括ケアシステムを作りたい」と考えていることを知り、参加した皆が大変感動しました。そして何より彼を知ることで彼を応援したい気持ちになったことがポートフォリオを活用する醍醐味だと感じています。

鈴木先生と私たちはオンラインで打ち合わせや研修会を重ねています。そのため整っていなかった組織のデジタル化も着実に進み、オンライン(ZOOM)研修の導入、70インチの大型画面のテレビとマイク、自由にネット検索できるパソコンなど、学びの環境が整えられています。コロナ禍、なかなか集合できないという課題も、鈴木先生の提案でGoogle Classroomで学び合える環境ができました。今後は全職員がポートフォリオを導入し目標管理面談に活用し、人材育成のための対話コーチングに発展させていきたいと考えています。

【公開プレゼンテーションを終えて…】
2年前の今ごろ、鈴木先生の「意志ある学び」に出会ってから今日まで、道に迷うこともありましたがここまで来れた喜びを感じています。そして、みんなの力を知った公開プレゼンテーションでした。当時はスキル以外の能力、それをどう育てていくか、そもそも中間管理職は未来の東御市民病院のために人を育てようとしているのか…、目には見えない大きな問題が目の前にあるように感じていました。そしてどんな研修が必要かと悩んでいました。

集合研修で育った自分たちは、いつでも「どんな研修が必要?」とhow-toを探す癖があります。今回新しい教育の潮流に気づかせて頂いたお陰で、自分の未来への思いや何をめざしたいのか、それぞれがビジョンを考えることができました。そしてそのために何が必要か考え、必要なことは自分で見つけて自分で掴む、まさにこれが自律して自ら学ぶ人を育てる手法だと知りました。

見えない壁のあった私たちも、このプロジェクトで他部署の思いや状況を知ることにもなりました。2年の間、幾度となく教育委員長のもとに来て相談している皆さんがいました。今は「同じ病院で働いている人」ではなく「同じ方向を向いて進む仲間」です。年度末で退職する私ですが、プレゼンテーションをされた仲間達に、敬意を表してバトンを渡すことができると確信しました。そして、私たちの取り組みを見守ってくださった院長や事務長に感謝いたします。

東御市民病院看護部長
 新納 郁子さん

2年前に、看護部長が当院の人材育成に課題があるとして職員教育委員会を立ち上げました。その時は、課題がある事は理解できるけれども、どのような事に取り組めば自分たちの求める人材を育成する事ができるのか、私には描けていませんでした。当初から鈴木先生との打ち合わせ・研修は、ZOOMが必須であり、ほかにもデジタル空間の活用など今までとは違う教育環境に戸惑いながら、今後の職員研修にも大きな変革が起こると思い、自施設の教育環境を整備する必要性を強く感じ取り組んできました。

そして今年度、各部署で「キャリアラダーを作る」という目的で1年活動をしました。計画表を丁寧に作りこむところから始まりましたが、のちにそれは、全体を理解し目標を明確にするために、大切な作業だったと気が付きました。今回、部署責任者は、自部署の職員教育に自分の思いを込めて、発表することができました。形はバラバラでしたが、それぞれの部署ならではの視点でした。しかし、行為一つに及ぶまで、その行動をとることの意味や意義・目的まで書かれたキャリアラダーは、東御市民病院のその部署にしかない唯一無二のものとなりました。

小さい病院でありながら、なかなかお互いの取り組みを知る事ができない環境にありました。しかし、ニュースレターを読むことでなるほど!と思えたり、プレゼンテーションを聞いて、考え方がわかりその人となりが垣間見えた気がしました。今後は、作成した唯一無二のキャリアラダーを活用して人材育成を実践していきます。その運用ができるようになるには、支援が必要だと考えています。今後もこの活動は続きます。

副看護部長・職員教育委員会委員長
 金井 節子さん

2年前、新納看護部長から鈴木先生の話を聞き、こんな方法ならわかりやすく当院でも実践できるんじゃないかという思いで先生の本をすぐに購入しました。各部署が縦割りで自分の部署しか見えていないという課題に対して、ポートフォリオ作成・発表などの経過を踏まえ徐々に部門間での認識が広がっていくことを感じてきました。

今年度は2月にプレゼンがあることを年度当初から目標としていたため、各部署でしっかりと準備したので、(自分の発表以外)すべの部署が本当に素晴らしい発表が出来、そして他部署の思いも共有することができたと感じております。病院を良くしていくことは己の知識・技術の向上をする、させることだけではないという事にもみんなが気付いてくれたことと思います。

今回のプレゼンには医事課・庶務課の部署も発表に加わったことで、病院全体が同じ方向を向いてスタートできたと感じております。自身の目標設定・ビジョンそして評価方法などこれからの教育方法はほとんど勉強不足であったためもっと向き合っていかないと感じております。これからがスタートなので今後しっかりと船をみんなで同じ方向に漕いでいけるようにしていきたい。

職員教育委員会
 中沢 栄一さん