CASE-06

東邦大学

国際看護師としてパプアニューギニアに生きる人々の希望と生命を守る!提案プロジェクト学習

  • 東邦大学の提案プロジェクト学習イメージ
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【実践事例の経緯】
国際保健看護学の対象となる人々の生活を理解し、課題解決のための取り組みを【現地でプライマリ・ヘルスケアを実現できる国際看護師になろう!】プロジェクト通して行います。日本にいながら行うプロジェクトです。

授業では、担当教員が実際にパプアニューギニアで出会った人たちにヒントを得て、海外(パプアニューギニア)に居住する架空の対象者の基本的情報を写真とともに記述し、学生に提示します。学生は複数の対象者リストの中から自分の興味関心に従い「この人」を幸せにしてあげたい!という相手を選びます。選んだ対象者ごとにチームを作り、その方へのケア提案書をチームで作成します。

それぞれの学生は、文献のほかインタビューや実験など根拠となる情報を集めてポートフォリオ(チームに一つ、Googleスライドを配付)を作成します。学生同士のディスカッションを中心にケア内容を検討し、凝縮ポートフォリオとしてのA3用紙1枚の提案書を作成し、プレゼンテーションする流れで進めます。グローバル社会において看護師に求められる、自分とは異なる価値観・信条や生活背景を持つ人の理解、人の尊厳及び人権を擁護する行動、利用者の意思決定を支える援助、資源が限られた中での援助の工夫を体験することができます。
もちろん、プレゼンテーション、相互コーチングなどの力を伸ばすこともねらいとしてあります。

実践事例の様子

YouTube関連動画

実践者の声

東邦大学教授 夏原和美さんの顔写真

東邦大学教授 夏原 和美さん

時空を超えて繋がる自由

ポートフォリオを用いたプロジェクト学習をデジタル空間中心に行うようになったのは、2020年の春からでした。それまでも、授業中にGoogleフォームを使ったリアルタイムでのピア評価などICTの活用を心掛けてきましたが、対面授業の補助でしかありませんでした。しかし、COVID-19で外出が制限されるといういわば外圧によって、現状を打破するデジタル化の利用方策を鈴木先生とともに導き出せたと感じています。その詳細については、実践事例のサイトを参照していただくこととして、教育DXで何が変わったかについて一言で言うと「時空を超えて繋がる自由を得た」ということです。

「時」については、授業が無い時間における教員と学生の繋がり、学生同士の繋がりが容易になりました。ポートフォリオを見れば、いつでも好きな時に学習のプロセスを見ることが出来、相手のポートフォリオにコメントも入れられます。

「空間」については、国際保健看護という領域ならではの価値を感じています。オンラインで世界と繋がることが簡単に出来るようになったおかげで、パプアニューギニアの診療所の様子を現地から中継して頂いたり九州の病院で勤務されている国際看護師の方から講義を受けることが出来たりします。

異空間からの中継は学生たちの想像力を搔き立てるらしく、より相手への関心が高まり、今までにない視点を得られたなどの感想が出てきます。時空を超えて繋がる自由を得た今、繋がりたいと思う相手がいることの有り難さ、大事さを学生たちと一緒に噛みしめていきたいと思っています。

東邦大学看護学部国際保健看護学研究室教授
 夏原 和美さん

関連資料

2022国際看護学演習シラバス.pdf
https://suzuki-toshie.net/dl/case-06.pdf