CASE-07

清和会西川病院(島根県)

[ビジョン研修から始めよう!]ポートフォリオで一人ひとりの願いと成長を支援する組織づくり

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【実践事例の経緯】
⼈のこころを元気にするためには、スタッフの⼼が元気で⽣き⽣きと働けることが⼤切です。
スタッフ⼀⼈ひとりが考え、学びながら適切な治療や⽀援を提供したい…組織として同じ価値観を共有しながらも、同時に個々のスタッフの学習⼒、創造⼒、⾃主性を⾼めるにはどうしたら良いか、この疑問から本プロジェクトは始まりました。

答えを探るために、アメリカで精神障害の方の生活満足度が最も高く、メンタルヘルス先進地であるベルモント州の視察を数回に分けみんなと実施しました。 そこで、3回のアメリカ視察を行った後、⼀⼈ひとりにビジョンを考えてもらい、それを発表する「ビジョン研修」を実施し、みんながより良い精神医療のために斬新でワクワクするアイディアを持っていることに気付かされ、共有できたのが⼤きな成果でした。この各職員のビジョンが詰まった⼀冊が、法⼈全体のビジョン、プロジェクトのゴールシートの作成に繋がりました。

ビジョン研修のおかげで、「ビジョンを実現するにはどうすれば良いか」という新たな課題に直⾯しました。その時に出会ったのがポートフォリを⽤いた未来教育でした。

実践事例の様子

YouTube関連動画




実践者の声

アメリカ視察 -ビジョンを現実にするプロジェクト-

こころの時代、ストレス社会を迎え、メンタルヘルスの重要性はかつてないほどに高まっています。個性や個々の多様性を重視する現代社会の中で、一人ひとりの価値観を尊重し、住み慣れた町で豊かに暮らすことを応援できる精神医療従事者に、今求められている教育システムを提案し構築するプロジェクト学習に私たちは取り組んでいます。

メンタルヘルスの先進地であるアメリカベルモント州へみんなと3回の視察後、一人ひとりにビジョンを考えてもらい、それを発表する「ビジョン研修」を実施、みんながより良い精神医療のために斬新でワクワクするアイデアを持っていることに気づかされました。みんなのビジョンが詰まった成果集が、法人全体のビジョンに繋がりました。

「ビジョンを実現するにはどうすれば良いか」、その時に出会ったのがポートフォリオを用いた未来教育プロジェクト学習の手法でした。この学習方法を取り入れることで、法人全体で同じ価値観とビジョンを共有しながら、各スタッフが自主的に学び、計画し実践する力を身につける方法論が整いました。

ポートフォリオを全職員、各委員会、各チームに導入することで、ビジョンとゴールを明確化した各職種のシラバスやキャリアパスを作成することができるのと同時に、多職種の協働を促進するツールを整えることができます。さらに、新型コロナ感染症の流行も手伝って、デジタル環境の整備が急激に進み、多くの人や情報と効率よく繋がる学習が可能となり「全職員がポートフォリを使いこなす」という目標に向かって効果的にデジタル空間でプロセスを共有しながらプロジェクト学習を進めることができるようになりました。

一人ひとりのこころや価値観を尊重し、住み慣れた町で豊かに暮らすことを応援できる精神医療機関を一層目指すためにポートフォリオ・プロジェクト学習に私たちは継続的に取り組んでいきます。

社会医療法人清和会 西川病院理事長
 林 輝男さん

【プロフィール】
社会医療法人清和会 理事長 林 輝男

精神科医、医学博士。1991広島大学医学部医学科卒業。1995同大学院修了。広島大学病院精神神経科、広島みくまり病院勤務後、1997より、世界最大で最高峰の生命科学・医学の研究所米国国立衛生研究所(NIH)客員研究員、正規研究員を経て2010主任研究員。2012より社会医療法人清和会西川病院副院長。現在、社会医療法人清和会西川病院理事長。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)について

一人一人のビジョンで組織の未来ポートフォリオへ

2020年「自律した職員を育成したい」「理念でつながり同じゴールを目指せる職場にしたい」を実現するためにチームプロジェクトを立ち上げました。ビジョン研修を実施したことにより、普段知り得なかった個々の仕事に対する考えを知ることが出来ました。

しかし、理念とどのようにつながりを持たせるのか、ビジョンをどうやって具現化するかという課題に直面しました。その課題解決として、鈴木先生とSEIWA構想プロジェクトを展開しています。

まず、理事長によって1992年に創られた「自由」「開放」「科学」の理念と法人の目指す姿が、どのような活動によって達成できるかという視点で理念の言葉の定義づけから始まりました。そして、管理職自身が与えられる学びから意志ある学びに考え方を変えるため、管理者対象のポートフォリオ研修を実施しました。

配信動画でポートフォリオとは何かを事前学習し、Webでの研修会を開催しています。講師の鈴木先生とは、Google Classroomを活用し、資料の共有や進捗状況を確認することが出来るようになりました。コロナ禍という社会背景から打ち合わせ会議や研修がデジタル化し、いつでもどこからでもアクセスできるように変化したことは、SEIWA構想プロジェクトを後押ししてくれています。

更に、講師の鈴木先生とのやり取りが限定公開のYouTube動画で配信されることによって、その時の話の内容を繰り返し確認することも出来ます。清和会のすべての職員が、それぞれのポートフォリオで互いの考えを知り、応援しあいながら法人の目指す姿に向かえる日を目指します。

社会医療法人清和会 西川病院看護部長
 佐々木 幸枝さん