【未来教育MM663】特別号『看護師さんからのお手紙』-新型コロナ・医療の現場から

□□───────────────□□
【鈴木敏恵の未来教育インフォメーション】
第663号/2021年1月16日発行[転送可]
発行者:シンクタンク未来教育ビジョン
鈴木敏恵( http://www.suzuki-toshie.net )
□□───────────────□□

目次

胸に染みる『看護師さんからのお手紙』

今週は本当に胸に染みるうれしいことがありました。新型コロナウイルス患者を受け入れて
いる病院の親しい看護師さんから久々のお便りが届きました。

読む前から涙あふれました。
何度も深く息を吸って読ませていただきました。

逼迫する医療の現場、どんな気持ちで感染者を乗せた救急車の隊員へ対応しているのか‥
メディアで伝わる現場の声を超え看護師としてだけでなく、ひとりの人間として真摯に生きて
いることを見せてくれるものでした‥私の心に大きな影響を与えてくれたものでした。

もしお許しがいただけるなら、一人でも多くの世の中の方に、そして今この時に医療職を
目指す学生さんにも読んでいただきたく、この未来教育MMでお伝えしてもいいですか?
とおたずねしました。そして今日「体験が役立てていただけたら、私は大変うれしいです。」
と快諾いただきました。

以下、固有名詞などを省きほぼ原文のままです‥‥

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

鈴木先生

大変大変、お久しぶりのメールを書いています。
今日、先生からの手紙が届きました。手紙でのメッセージ、みんなで笑顔とウルウルで拝見しました。
本当にありがとうございます。

コロナ感染の院内への拡大は、毎日毎日が出口の見えないトンネルに入り込んだようでした。

多くの患者さんが感染しただけでなく、感染病棟に行き勤務にあたってくれた自部署のスタッフや仲間の看護師たちが何人も感染しました。悲しくて、辛くて、悔しくて、いろんな感情を抱きました。

派遣された感染対策の専門家の指導により、療養環境の見直しと整備、日常の医療・看護物品の見直し、そして行動の再教育がされようやく11月上旬より通常の業務を再開することができました。

長い長い道のりで、やってもやっても感染者が減らなず、心が折れそうになりました。それでも、看護師たちが院内に働く全スタッフの教育を担いました。

現場の医師・看護師をはじめとする医療者は、二度とあの悪夢を繰り返さないため感染対策を重要視する中、時に相反する意見で対立することもあります。それでも一番に考えるのは、治療が必要な人が取りこぼされないよう急性期医療の提供を続けることです。
その思いでお互い折り合いをつけながら毎日の診療・看護にあたっています。

日々報道で言われている通り、医療の現場は逼迫しています。コロナに感染している患者を受け入れたくても病床がありません。

先日、感染者を乗せた救急車の隊員が病床を探し2時間以上経過していると受診入院要請がありました。断りたくない、うちが断ったらこの患者はどうなるのだろうと思っても、受け入れる病床と対応するスタッフがいないため断ることになりました。
1月に入りこのようなケースが何度も何度も繰り返されています。

病院でも受け入れ病床の増床をすることになりましたが、数日で「はいどうぞ」というわけにはいきません。

環境とスタッフの実務教育には時間がかかります。未熟なスタッフが働けば、患者の看護ができない、環境が汚染され医療者間の感染が広がります。

感染病床の確保と同時に通常の医療の提供をすることを毎日会議の中で話し合いながら運営しています。色んなポスター新聞などを作成しました。先生に見てもらおうと近いうち送信します。
見てください。

   ・   ・   ・   

私ごとなのですが、我が家の家事一切を引き受けてくれていた母が入院しました。
普段から力をかしてくれる看護師が母に熱心に関わってくれて、原因は認知症の初期症状とうつ状態だということが分かったのが入院してから1か月たった時でした。

「一緒に頑張りましょう」この言葉を言われた時も、このことを思いだす時も涙が止まらなくなります。

希望をなくし、冷静に状況を受け止めなくてはと必死になっていた私の心をほぐし癒してくれた言葉でした。この時から私は、母を看護師ではなく見ること接することができました。信頼できる医師や看護師たちに母を任せることができました。

根気よく診療にあたってくれた先生と看護師たちの日々のかかわりによって、母の状態は自宅に退院できるまでになりました。今は外来に一緒に通院しながら、自宅で過ごすことができています。食事を作ったり、大好きなミシンかけをしたりできるようにまで回復しました。

母の入院は私自身の今までの生活を変えることになりましたが、年老いていく両親と生活を共にしながら 、看護師として学び、頑張っていきたいという思いを強くしました。
毎日毎日がとても楽しいです。

コロナ感染の終息までにはまだ時間が必要ですが、必ず近い未来に終息します。
信じるだけでなく、今できるしなければならないことを継続していきます。

そして終息を迎えたとき組織の教育が止まっていないよう、先生から教えてもらい築いてきた未来教育を実践していこうと思います。

長文になってしまい申し訳ありません。今後ともよろしくお願いします。

追伸:来年度教育計画立案しています。今後も先生のお力をお借りします。もう少し具体的
計画になりましたらご連絡いたします。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご感想など「鈴木敏恵 s-toshie@ca2.so-net.ne.jp 」へいただければ幸いです。
いただいたメッセージは、この仲良し看護師さんへもお届けしたいなと思っています。
(個人特定できないようにします)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

東日本大震災から10年目‥命を守るために学んだこと

3月で東日本大震災から10年が経ちます。
震災後に何度か、私は震災前のずっとからご縁のあるいくつかの学校を基点に視察に行きました。

現地の校長先生に同行していただきながら、ビデオ収録したものをシリーズでYouTubeにアップしています。
学校や医療関係の方にお役に立つと思います。
ぜひご覧いただければ幸いです。

[リンク集]東日本大震災から10年目‥命を守るために学んだこと
http://suzuki-toshie.net/blog/archives/551

[資料用PDF](5MB)
http://suzuki-toshie.net/mm-images/miraikyoiku2021.pdf

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次